アメリカ政府は、台湾の海運会社などが、洋上で積み荷を移す「瀬取り」の手口で北朝鮮に大量の石油を密輸したとして制裁を科すと発表しました。
アメリカ財務省は30日、北朝鮮に対する国連の制裁決議に違反したとして、台湾と香港の海運会社3社とその代表ら2人などに対し、資産を凍結するなどアメリカ独自の制裁を科すと発表しました。
この海運会社などは、洋上で船から船に積み荷を移す「瀬取り」の手口で北朝鮮に石油を密輸したということで、このうち台湾の会社の代表は去年4月から5月にかけてフィリピンに運ぶと、うその届け出をしたうえで、石油製品およそ170万リットル、ドラム缶で8500本分を公海上で北朝鮮の船に渡したということです。
また密輸に使われた船は、去年6月にも北朝鮮の別の船と「瀬取り」を行ったとしています。
米朝の非核化協議が進まない中、北朝鮮は先週、リ・ヨンホ外相が談話を出し、「アメリカが対決姿勢を捨てずに制裁で立ち向かおうというなら誤算だ」として制裁を続けるアメリカへの反発をあらわにしています。
しかし、アメリカ財務省は「違法な瀬取りに関わった者には今後も制裁を科していく」と強調していて、北朝鮮が非核化に応じなければ制裁による圧力を強めていく姿勢を改めて示しました。
-- NHK NEWS WEB