OECD=経済協力開発機構は、高齢化が進んでも持続的な経済成長を実現するためには、高齢者のキャリアアップにつながる職業訓練の充実など長く働くことができる環境を整えるべきだとする提言をまとめました。
OECDは、9月1日からG20=主要20か国の労働大臣会合が、松山市で始まるのを前に日本を含めた加盟国の労働環境の現状や課題について報告書をまとめました。
それによりますと、100人の労働者が支えなければならない50歳以上の働いていない高齢者の数は、加盟国の平均で2018年の42人から2050年には58人へとおよそ40%増加すると予測しています。
このうち日本は、2018年の46人から2050年には59人に増加するとみられています。
特に、イタリアやギリシャ、ポーランドなど一部の国では、2050年には働いていない高齢者の数が、労働者の数より増えてしまう可能性があると指摘しています。
このため、持続可能な経済成長を実現するためには高齢者がより長く働き続けられる環境を政府や企業などが整えることが不可欠で、定年制度の廃止や非正規雇用など不安定な雇用形態の改善、それに、高齢者のキャリアアップにつながる職業訓練の充実など対策を講じるべきだと提言しています。
会見したOECDのステファノ・スカルペッタ雇用・労働・社会政策局長は「高齢者をめぐる就業の課題は日本だけでなくG20の多くの国の課題で、互いに学び合うことができる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB