44人が亡くなった東京・新宿歌舞伎町のビル火災から1日で18年となり、遺族が現場で花を手向けて犠牲者を悼みました。
平成13年9月1日の未明、東京・新宿区歌舞伎町にあった雑居ビルで火が出て燃え広がり、3階のマージャンゲーム店や4階の飲食店にいた従業員や客など合わせて44人が亡くなりました。
警視庁は放火の疑いが強いとみて今も捜査を続けていますが、火災から1日で18年となるのに合わせて31日夜、遺族がビルのあった場所を訪れました。
祭壇を設けてろうそくに火をともし、白と黄色の花を組み合わせて犠牲者の人数をかたどった手作りの花籠を手向けました。
そして、涙をぬぐいながらシャボン玉を空に飛ばし、犠牲者を悼みました。
飲食店で働いていた植田愛子さん(当時26)と妹の彩子さん(当時22)を亡くした67歳の母親は「周りはどんどん変わっていくけれど、私の頭の中では燃えてすすだらけのビルが今もここにあります。悲惨な火災があったことを忘れないでほしいし、遺族は高齢化しているので、もし犯人がいるならどうか出てきて謝ってほしい」と話していました。
この火災では、物が置かれていてビルの防火扉が正常に閉まらず多数の犠牲者を出す原因となったことから消防法が改正され、消防の立ち入り検査の権限の拡大や悪質な違反をした企業への罰則が強化されました。
-- NHK NEWS WEB