就職情報サイト「リクナビ」の運営会社が、学生の内定を辞退する確率を予測し、企業に販売していた問題が発覚してから1か月近くになります。大学側には、「就職情報サイトを学生に紹介する際に、『リクナビ』を除外する」との方針を打ち出したところもあります。
就職情報サイト「リクナビ」は、多数の掲載企業があり、就職活動をする際に、多くの学生が利用しています。
しかし、サイトを利用する学生の内定を辞退する可能性を数値化して本人の同意を得ずに企業に販売していたことが、8月発覚し、運営会社のリクルートキャリアが政府の個人情報保護委員会から是正を求める勧告と指導を受けました。
この問題を受けて大学側では、「リクナビ」側と距離を置く動きが出ています。
中央大学は、今月下旬に大学3年生全員が対象の「就職ガイダンス」を予定しています。ガイダンスでは、例年就職情報サイト各社のチラシが配られますが、ことしは、リクナビを除外する方針です。また、当面の間、リクルートキャリアとは、学生向けのイベントなどの共催も行わないとしています。
中央大学キャリアセンターの池田浩二副部長は「学生の情報を同意を得ずに売るという企業の体質に疑問を感じるし、発覚後の情報公開も不十分で、強い不信感を持っている」と話しています。
また、明治大学も、今月下旬から開く3年生全員が対象の就職活動の説明会に、「リクナビ」の参加を認めず、資料の配布などもさせない方針です。
このほか、早稲田大学と慶応大学、立教大学と法政大学は、対応は決まっておらず、今後の方針については回答を控えるとのことでした。
上智大学は、この時期の就職活動に関する催しでは、もともと「リクナビ」は紹介していないということです。
例年、大学側の説明会をきっかけに就職情報サイトに登録する学生も多いだけにリクナビにとっては問題の影響は当面避けられないとの見方も出ています。
-- NHK NEWS WEB