日産自動車の西川廣人社長は、株価に連動した報酬を受け取る権利の行使日を変更し、当初より多くの額を受け取ったと指摘されている問題で、この報酬制度の運用上の問題があったとして、多く受け取った分を返還する意向を示しました。
日産の西川社長をめぐっては、6年前、日産の株価に連動した報酬を受け取る権利の行使日を株価の値上がり後に変更し、当初より4700万円多く受け取ったと指摘され、会社が内部で調査を進めていました。
これについて関係者によりますと、西川社長を含む複数の幹部について、社内の規定に反する形で権利の行使日を変更し、報酬を多く受け取った事例が確認されたということです。
日産は、近く開く取締役会でこの問題について協議する方針ですが、西川社長は、5日朝、記者団に対し、この報酬制度の運用上の問題があったとして、多く受け取った分は返還する意向を示しました。
西川社長は、「報酬の仕組みの運用や事務局の運用のしかたに問題があったことがはっきりした。心配をおかけし申し訳ないが、本来の手続きとは違う差額については会社に返納すべきものだと思うし、私もそのつもりだ」と述べました。
こうした報酬の返還は異例です。
日産は、ゴーン元会長の事件のあと、経営の透明性を高める新たな体制に移行したばかりで、適切な説明が求められそうです。
-- NHK NEWS WEB