中国のIT企業が開発した、本物と見分けがつかないほど巧妙な偽の動画、「ディープフェイク」を作れるスマートフォン用のアプリについて、個人のプライバシーが守られないという懸念が中国国内で相次ぎ、開発した企業は陳謝したうえで疑念を招かないような対応をとるとしています。
中国 北京のIT企業が開発したスマートフォン用のアプリ「ZAO」は、撮影した自分の顔を簡単な操作で映画やドラマに登場する俳優の顔と合成し、いわゆる「ディープフェイク」と呼ばれる動画を作ることができます。
ただ、アプリのユーザーからは、利用する際に自分の顔のデータを永久に無償で企業側に提供するなどとした利用規約への同意を求められるため、先週の発表直後から、プライバシーが守られないうえ、顔のデータが不正に利用されるのではないかという懸念が相次いでいました。
これを受け、開発した企業は5日までにSNS上にコメントを発表し、多大な心配をかけたと陳謝したうえで、データを蓄積することはないとして、疑念を招かないよう利用規約の改定などの対応をとるとしています。
このアプリをめぐっては中国政府も、データ漏えいのリスクなどの問題があるとして、企業に対し対策を求めていました。
-- NHK NEWS WEB