日本が海外との貿易や金融取引などでどれだけ稼いだかを示す去年(平成28年)1年間の「経常収支」は、原油安の影響で輸入額が減り、貿易収支が黒字に転換したことなどから、黒字の額は20兆6496億円と、過去2番目の規模となりました。
財務省が発表した去年1年間の「経常収支」は、20兆6496億円の黒字で、黒字の額は前の年を4兆2370億円上回り、2年連続で増加しました。
経常収支の黒字額は、統計が比較できる昭和60年以降では、リーマンショック前の平成19年に次いで、過去2番目に大きい規模でした。
内訳を見ますと、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」は、原油価格下落の影響で、LNG=液化天然ガスなどの輸入額が大幅に減少したことや、年の前半に円高ドル安となった影響で、円に換算したドル建ての輸入額が減少したことなどから5兆5793億円の黒字と、6年ぶりに黒字に転換しました。
外国人旅行者が日本で消費した金額から日本に住んでいる人が海外で消費した金額を差し引いた「旅行収支」は、1兆3391億円の黒字となり、過去最高となりました。そして、海外との利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」は、企業が海外の子会社から受け取った配当が多く、18兆1360億円の黒字となりました。
また、あわせて発表された去年12月の経常収支は、1兆1122億円の黒字で、30か月連続の黒字でした。
-- NHK NEWS WEB