京都アニメーションのスタジオが放火され35人が亡くなった事件で、20億円を超える寄付金が会社に寄せられていることを受けて、国と京都府は、寄付した個人や企業を税制面で優遇することを決めました。
京都アニメーションのスタジオ放火事件では、国内外からの支援を受け付けるために京都アニメーションが設けた口座に、先月30日現在で23億円余りが寄せられています。
しかし、企業への寄付金は、個人の場合は税制上の優遇措置がなく、企業も経費として控除できるのは一部に限られています。
このため、国や京都府が検討を進めた結果、災害義援金の仕組みを参考に寄付した個人や企業を税制面で優遇することを決めました。
具体的には、京都府などが専用の口座を設けて今月9日以降に寄付金を受け入れ、個人が振り込んだ場合は所得税や住民税から差し引き、企業が振り込んだ場合は自治体への寄付として全額を損金として計上できるようにします。
これまでに京都アニメーションの口座に振り込まれた寄付金も京都府の専用口座に移し替え、個人や企業が京都アニメーションに申し出れば優遇措置を受けられるようにします。
寄付金は、京都府が設置する委員会を通じて全額を被害者や遺族に配分するということです。
総務省や国税庁によりますと、1つの事件を契機に、自治体を受け皿とした企業への寄付金を税制優遇する枠組みは前例がないということです。
-- NHK NEWS WEB