「京都アニメーション」のスタジオが放火された事件のあと、初めてとなる新作映画の公開が6日から始まり、京都市の映画館には大勢のファンが訪れました。この作品の制作には、事件で亡くなったりけがをしたりしたすべての社員が関わっていて、エンドロールには全員の名前が載せられています。
事件のあと初めてとなる京都アニメーションの新作映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝ー永遠と自動手記人形ー」が6日公開され、京都市中京区の映画館には、平日にもかかわらず大勢のファンが訪れました。
作品はテレビアニメの劇場版で、離れ離れになった姉妹が手紙の代筆の仕事をする主人公との出会いを通して絆を取り戻していく物語です。
京都アニメーションによりますと、作品はことし7月の事件の前日に完成し、亡くなったりけがをしたりした人を含めて会社のすべてのスタッフが制作に参加したということです。
京都アニメーションでは、通常、作品の最後に流れるエンドロールなどに1年以上経験があるスタッフの名前を載せていますが、今回は監督の意向で全員を掲載したということです。
京都アニメーションの代理人弁護士は「災禍に見舞われたスタッフを含め、全員の生きた証です。末永くお楽しみいただけたら幸いです」としています。
映画を見た京都市北区の女子大学生は「すてきな絵や細かい表現に制作者の思いが詰まっている作品だと感じました。事件で大変だと思いますが、応援しているファンがたくさんいるので負けないでほしい」と涙でことばを詰まらせながら話していました。
映画は、今月26日までの期間限定で公開されます。
-- NHK NEWS WEB