アメリカの景気の現状を示す先月の雇用統計が発表され、農業分野以外の就業者は13万人の増加にとどまり、伸びが一段と鈍りました。比較的順調とされてきた雇用環境にも、米中貿易摩擦の影響が表れてきたとみられています。
アメリカ労働省が6日発表した先月の雇用統計は、農業分野以外の就業者が、前の月と比べて13万人の増加にとどまり、市場予想を大きく下回りました。
景気拡大の目安とされる20万人を4か月連続で下回り、前の月の増加幅の15万9000人からも減って、一段と伸びが鈍くなりました。
「小売り」や「輸送」などの業種で就業者が減少したことが影響しています。
一方、失業率は、前の月と同じ3.7%のままでした。アメリカでは、中国との貿易摩擦による景気減速の懸念から、企業が設備投資を抑制する動きが出ていますが、比較的順調とされてきた雇用環境にも、影響が表れてきたとみられています。
中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、景気の拡大を維持するために、追加の利下げに踏み切る可能性を示唆していますが、重要な指標と位置づける雇用統計の結果を踏まえて、今月17日からの会合で、どのような判断をするのか、注目されます。
-- NHK NEWS WEB