みずからの服役体験を題材にした小説『塀の中の懲りない面々』などで知られる、作家の安部譲二さんが今月2日、急性肺炎のため東京都内の自宅で亡くなりました。82歳でした。
安部さんは昭和12年に東京で生まれ、10代の頃からやくざ組織に出入りするようになり、航空会社の客室乗務員からキックボクシングの解説者までさまざまな職業を経験しながら、東京の府中刑務所に収監されたこともありました。
40代半ばでやくざの世界から足を洗うと作家としての人生を歩み始め、昭和61年に、みずからの刑務所体験を元に獄中生活をユーモラスに描いた小説デビュー作、『塀の中の懲りない面々』がベストセラーとなりました。
この作品は、テレビドラマや映画にもなり、翌年の新語・流行語大賞では、「懲りない○○」というフレーズが流行語部門の金賞を受賞しました。
その後も人気作家として執筆を続けながら、タレントとしてテレビなどで活躍しましたが、平成27年にがんが見つかり、手術を受けたことを自身のブログで公表していました。
家族によりますと、安部さんはこの数年療養を続けていましたが、今月2日、急性肺炎のため東京都内の自宅で亡くなりました。
-- NHK NEWS WEB