安倍総理大臣は11日夜、第4次安倍第2次改造内閣の発足を受けて記者会見を行い、憲法改正は自民党立党以来の悲願だとして、実現に向けた決意を表明しました。また全世代型社会保障制度の検討を行う新たな会議を設置し、新しい社会保障のあり方を大胆に構想していく考えを示しました。
この中で安倍総理大臣は憲法改正について、「内政、外交にわたる各般の挑戦を進め、令和の時代の新しい日本を切り拓いていく先にあるのは、自民党立党以来の悲願である、憲法改正への挑戦だ。いずれも困難な挑戦ばかりだが、必ずや成し遂げていくと決意している」と述べました。
そのうえで、「令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定に向けて、 衆参の第1党である自民党が、憲法審査会で強いリーダーシップを発揮していくべきだ。国民投票法の改正案について、憲法審査会の場で与野党でしっかりとした議論をしていただくことを期待しているが、同時に憲法改正の中身についても議論していくことが国民から求められているのではないか」と述べました。
また安倍総理大臣は全世代型社会保障制度の実現に向けて政府に「全世代型社会保障検討会議」を設置し、来週にも初会合を開いて、70歳までの就業機会の確保や年金の受給開始年齢の選択肢の拡大など、新しい社会保障のあり方を大胆に構想していく考えを示しました。
ロシアとの北方領土問題を含む平和条約交渉をめぐって、安倍総理大臣は「困難な課題で容易ではないからといって、それを見送ることは総理大臣としての責任放棄だ。この領土問題を解決していくために、全力に取り組んでいくことは総理大臣の私の責務だ」と述べました。
一方、環境大臣に起用した小泉進次郎氏について、安倍総理大臣は「海洋プラスチックごみや気候変動など地球規模の課題に、手あかのついた従来の議論ではなく、若手ならではの斬新な発想での取り組みを期待している」と述べました。
そして「小泉氏は、初当選から10年だと思うが、すでに自民党の厚生労働部会長を務めるなど、当時の私より政治的な技術において年季が入っていると思う。ぜひ結果を出してもらいたい」と述べました。
そして自民党の二階幹事長や岸田政務調査会長が再任したことや、麻生副総理兼財務大臣と菅官房長官が留任したことに触れ、「しっかりと安定した土台を維持しながら、そのうえに老・壮・青、幅広い人材、フレッシュな強い突破力によって、令和の時代の新しい国づくりに果敢に挑戦していく。今回の内閣はまさに『安定と挑戦』の内閣だ」と強調しました。
-- NHK NEWS WEB