アメリカの著名な投資家の1人で、1989年に日本の小糸製作所に敵対的な買収を仕掛けたことでも知られる、ブーン・ピケンズ氏が11日、亡くなりました。91歳でした。
アメリカ南部オクラホマ州で生まれたピケンズ氏は石油会社に勤務したあと、みずから会社を立ち上げ、投資事業を中心に巨額の富を得ます。
特に知られたのは企業に対する「敵対的買収」で、日本がバブル景気に沸いていた1989年、自動車部品メーカー大手の小糸製作所の筆頭株主となり、役員の選任など経営への介入を強めました。
すでにアメリカ国内でも買収実績があったピケンズ氏の手法は、買い占めた株式を最終的には相手企業や関係者に高値で買い取らせて利益を得るというもので、アメリカのドル紙幣の色などから「グリーンメーラー」とも呼ばれました。
当時の小糸製作所をめぐる買収劇は2年以上にわたって続きましたが、のちに筆頭株主となるトヨタ自動車が抵抗し、ピケンズ氏は撤退を余儀なくされています。
ピケンズ氏のホームページなどによりますと、2年前に病気を患い療養していて、11日、南部テキサス州ダラスの自宅で亡くなったということです。
-- NHK NEWS WEB