ヨーロッパ中央銀行は12日、理事会を開き、米中の貿易摩擦の影響などによって、低迷しているユーロ圏の経済を下支えするため、金利を引き下げることを決めました。これは2016年3月以来、3年半ぶりのことですでにマイナスになっている金利をさらに引き下げる異例の政策を一段と進めました。
ヨーロッパ中央銀行は12日、ドイツのフランクフルトにある本部で理事会を開き、追加の金融緩和策について議論しました。
会合のあとの発表によりますと、金融機関から資金を預かる際の金利を現在のマイナス0.4%からマイナス0.5%にさらに引き下げることを決め、異例の政策を一段と進めました。
利下げは2016年3月以来、3年半ぶりのことで、マイナス金利の拡大によって金融機関の余った資金を企業への融資に一層振り向けるねらいがあります。
この背景には、米中の貿易摩擦の影響によってドイツの輸出が減少するなど、ユーロ圏の経済の減速傾向が強まっていることがあります。
また、さまざまな資産を買い入れて市場に大量の資金を供給する量的緩和策をことし11月から再開することも決めました。
アメリカに続いてヨーロッパ中央銀行が利下げを決めたことで、輸出で不利にならないよう自国の通貨の値上がりを抑えたいという思惑などから、利下げ競争がさらに広がらないか懸念が強まりそうです。
-- NHK NEWS WEB