“紀州のドン・ファン”とも呼ばれ、去年、急性覚醒剤中毒で死亡した和歌山県田辺市の会社社長が生前、遺産を田辺市に寄付するという遺言を残していたことから、市は遺産を受け取るための手続きを進めることになりました。
自伝のタイトルから“紀州のドン・ファン”とも呼ばれた、和歌山県田辺市の会社社長、野崎幸助さん(77)は去年5月、自宅で急性覚醒剤中毒で死亡しているのが見つかり、警察は容疑者を特定しないまま、殺人の疑いで捜査を続けています。
田辺市によりますと野崎さんの死後「全財産を田辺市にキフする」などと生前に書かれた自筆の遺言書が見つかり、市が調査した結果、現金や株式、債権など合わせて13億円余りの遺産があることが分かりました。
ほかにも複数の土地や絵画などが残されているということです。
田辺市は遺言への対応について検討を続けていましたが、遺産を受け取る方針を固め、13日の市議会に今後、弁護士を雇ったうえで、土地の売却などを進めるための費用、およそ6500万円を盛り込んだ補正予算案を提出しました。
これについて真砂充敏市長は「遺言者の遺志を尊重することが市民全体の利益につながると考えた」としています。
田辺市では今後、手続きを進めるとともに野崎さんの遺族とも話し合いを進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB