アメリカで、「オピオイド」と呼ばれる鎮痛剤の過剰摂取などによって年間5万人の死者が出ている問題をめぐり、主な製造元の1つの医薬品大手「パーデュー・ファーマ」が、日本円で1兆円を超える和解金の準備を迫られ、15日、経営破綻しました。
アメリカの医薬品大手、パーデュー・ファーマは15日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法第11条の適用を裁判所に申請し、経営破綻しました。
会社側の発表によりますと、鎮痛剤オピオイドの乱用をめぐる訴訟で、原告となっている24の州などと和解で合意し、和解金は合わせて100億ドル以上、日本円で1兆円を超えるということです。
パーデュー・ファーマでは、この合意に基づき連邦破産法の適用を申請したもので、会社の財産を「信託」などの形で分離し、和解金の支払いに充てるということです。
オピオイドは、過剰な摂取などで薬物中毒になる人が相次ぎ、おととしには年間5万人が死亡するなど深刻な社会問題となっています。これに伴い、製薬会社などを相手取り損害賠償を求める裁判が全米で起きていて、先月には医薬品大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」に対し600億円の賠償が命ぜられており、この問題をめぐり製薬業界の経営環境が一気に厳しくなるのではないかという見方も出ています。
-- NHK NEWS WEB