大手商社の三菱商事は、シンガポールの子会社に勤めていた現地社員が社内規定に違反して行った原油の先物取引で、およそ3億2000万ドル、日本円で340億円にのぼる損失が発生する見込みだと発表しました。
三菱商事によりますと、シンガポールの子会社が、ことし1月から先月にかけて行った原油の先物取引で、およそ3億2000万ドル、日本円でおよそ340億円の損失が発生する見込みだということです。
三菱商事によりますと、取り引きを行ったのは中国籍の30代の現地社員で、中国向けの原油取り引きのリスクをヘッジするための取り引きだと偽って、社内の規定に違反する原油の先物取引を繰り返していたということです。
不適切な取り引きは、およそ5000件にのぼり、ことし7月以降に原油価格が下落したことで損失が拡大したということです。
三菱商事の子会社はこの現地社員を18日付けで解雇したうえで、19日、シンガポールの警察に刑事告訴しました。
三菱商事は業績に与える影響は精査中だとしていて「今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に向けた取り組みを一層強化していく。経営責任については損失額がはっきりした段階で示したい」としています。
-- NHK NEWS WEB