国連総会に合わせて開かれた温暖化対策サミットで、世界の77か国が2050年には温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることなどを約束しました。国連のグテーレス事務総長は機運が高まっていると歓迎する一方で、温暖化の深刻な影響を防ぐためには十分でないとして、各国に対策を加速させるよう訴えました。
温暖化対策サミットは、国連のグテーレス事務総長の呼びかけで23日開かれ、60か国以上から首脳や閣僚が参加して再生可能エネルギーの導入や発展途上国への資金支援などの具体策を示しました。
閉幕にあたって演説したグテーレス事務総長は、2050年にはフランスやドイツなど77か国が温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることや、日本円にして合わせて215兆円を超える資産運用会社の経営者たちが、温室効果ガスを排出する企業を投資先に選ばないことを約束したなどと発表しました。
グテーレス事務総長は、「これまでは気候変動の危機との闘いに負けてきたが、世界は目を覚まし、機運は高まっている」と歓迎しました。
一方で、アメリカや中国、インドなどの主要な排出国は排出量を実質ゼロにすることを約束していないほか、日本など、サミットで具体策を発表していない国も少なくありません。
グテーレス事務総長は、温暖化の深刻な影響を防ぐため、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度以内に抑えるには十分ではないとも指摘し、各国に対策を加速させるよう訴えました。
-- NHK NEWS WEB