日銀の黒田総裁は24日、大阪市で記者会見し、来月の金融政策決定会合で、日銀のマイナス金利政策によって金融機関の経営や年金の運用に弊害が出ていないか検証する考えを示しました。
日銀が続けているマイナス金利政策をめぐっては、今後、追加の緩和策として金利をさらに下げた場合、景気を下支えする効果よりも金融機関の収益や年金の運用に弊害をもたらす「副作用」が、より大きくなるという懸念が指摘されています。
会見で、記者団が、来月の金融政策決定会合で副作用について検討するのか質問したのに対して黒田総裁は、「そのとおりだ。ここまで低金利が続く中で、金融機関の信用仲介機能や国債の市場機能に対する影響があるとすれば、十分に勘案することが必要だ」と述べ、来月の会合で検証する考えを示しました。
また、欧米が金融緩和に踏み切る中、日銀も物価上昇の勢いが損なわれるリスクが高まれば、追加の緩和策に踏み切る構えを示しています。
記者団が、現時点でリスクはどの程度、高まっているかをただしたのに対し、黒田総裁は長期的には目標とする2%の物価上昇率を達成するという見通しを示しつつ、「海外経済の下振れリスクが堅調な内需に影響しないか慎重に見ていく必要がある」と述べ、米中貿易摩擦など、海外経済の動向に注意が必要だという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB