EU=ヨーロッパ連合からどのように離脱するのかが依然として決まらないイギリスで、最大手の自動車メーカー「ジャガー・ランドローバー」が、来月末の離脱期限の直後の1週間、混乱を避けるため国内のすべての生産を取りやめることを決めました。
イギリスでは来月末の離脱期限まで1か月あまりとなった今もどのように離脱するのかが決まらないまま、議会で与野党が激しく対立していて、経済活動への大きな打撃が避けられない「合意なき離脱」となる可能性が残されています。
こうした中、イギリスの自動車生産のおよそ3分の1を占める「ジャガー・ランドローバー」は26日、離脱期限の直後の1週間、国内すべての工場で操業を取りやめることを明らかにしました。
これは合意なき離脱となった場合、部品の調達が滞ることなどが予想されるためで、生産の混乱を避けるねらいがあります。またほかの自動車メーカーでも、トヨタ自動車が離脱期限の翌日に現地工場の生産停止を決めるなど一時的に操業を取りやめる措置が広がっています。
イギリスでは当初、離脱が予定されていたことし3月29日に合わせて大手メーカーが相次いで操業を取りやめた結果、4月の自動車の生産台数が半分近くに減った経緯があるだけに、再び、生産が大きく落ち込むのではないかと懸念が高まっています。
-- NHK NEWS WEB