首都直下地震で道路が通行できなくなった際に、川を活用して物資を運ぶ訓練が東京 葛飾区で行われ、ことし地元の女性だけで結成した防災組織のメンバーも参加し、ゴムボートの操縦方法などを学びました。
今後30年以内に70%の確率で起きると予測されている首都直下地震では、建物の倒壊などで多くの道路が通行できなくなって、支援物資などの輸送に影響が出ることが懸念されています。
荒川と江戸川の2つの川に挟まれ、さらに別の川が中央部を流れる東京 葛飾区では、首都直下地震の際にこれらの川を活用してゴムボートで支援物資を運ぶことも検討しています。
区が29日に開いた訓練では、先月整備されたばかりの防災用の船着き場に地元の自治会や消防団の人たちが集まり、支援物資が入った箱の積み降ろしやゴムボートの操縦訓練を行いました。
訓練の参加者の多くは男性でしたが、東新小岩7丁目町会からは、ことし4月に設立された女性だけの防災組織のメンバーも参加しました。
この地区では近年、町工場などの自営業者が減り、区外に通勤する会社勤めの男性が多くなっていることから、平日の昼間に地震が起きた場合にすぐに活動できるよう、主婦を中心に女性6人で設立したということです。
この日の訓練で、メンバーたちは、免許が必要ない比較的小型のゴムボートの操縦方法や物資の積み降ろしの流れなどを確認しました。
地域防災への女性の参加をめぐっては、東日本大震災のあと、6年前に内閣府がまとめた指針の中で、自治体に対して参加の促進や女性リーダーの育成を図るよう求め、各地で取り組みが進められています。
訓練に参加した稲葉美哉子さんは「いつ災害が起きるか分からないので、覚悟や備えをしておく必要があります。不安はもちろんありますが、乳幼児の手助けなど女性目線でしか気がつかない部分もあると思うので、地域の皆さんが安心して生活できるよう頑張りたいです」と話していました。
-- NHK NEWS WEB