アメリカのトランプ大統領が野党・民主党に不利な情報を得るためにウクライナに圧力をかけたとされる疑惑をめぐり、国務省でウクライナを担当する特別代表が辞任したと先駆けて伝えたのが学生新聞の記者だったとして、注目を集めています。
トランプ大統領は来年の大統領選挙の有力候補である民主党のバイデン前副大統領に不利な情報を得ようとして、ウクライナのゼレンスキー大統領に圧力をかけた疑惑が持たれています。
この疑惑をめぐり、先月27日、国務省でウクライナを担当するボルカー特別代表が辞任したという情報をいち早く伝えたのは、アリゾナ州立大学の学生新聞の記者だったことが分かりました。
記事を書いたのは編集長のアンドリュー・ハワードさん(20)で、大学が運営する研究所の役員を務めるボルカー氏の取材を進めるうち、大学の関係者から「ボルカー氏がポンペイオ国務長官に会って辞任を伝えた」という情報を得たということです。
AP通信やニューヨーク・タイムズなどの大手メディアがこの情報を報じたのは、ハワードさんの記事が学生新聞のウェブサイトに掲載されてから1時間ほどたってからでした。
有力紙ワシントン・ポストは「学生新聞が記事で打ち負かした」という見出しで伝えるなど、ハワードさんのスクープを大手メディアは相次いでたたえていて、ハワードさんは今後もジャーナリストとして経験を積んでいきたいと話しています。
-- NHK NEWS WEB