宇宙空間を利用した新たなビジネスの広がりが期待される中、超小型衛星から金属の玉を打ち出して、地球の大気圏で燃え尽きさせることで、人工的な流れ星を作り出そうという世界でも初めての試みが、再来年、日本のベンチャー企業によって広島県付近の上空で行われることになりました。
流れ星を人工的に作り出そうという試みを行うのは、東京・港区のベンチャー企業ALEです。
計画では、地球の上空高度500キロ付近に超小型衛星を打ち上げたうえで、衛星から直径1センチほどの金属の玉を打ち出して地球の大気圏に突入させ、燃え尽きさせることで、人工的に流れ星を作り出そうとしています。
来年の年末までに超小型衛星を打ち上げ、再来年、広島県付近の上空で初めて実際に試みるということで、広島県のほか、中国・四国地方の一部で見られると想定されています。
本来の流れ星は、宇宙空間を漂う細かなちりが地球の大気圏に突入した際、燃え上がって火の玉となることで起きる現象ですが、民間宇宙開発に詳しい専門家によりますと、超小型衛星を使って人工的に流れ星を作り出す試みは、実現すれば、世界でも初めてだということです。
アメリカなどで、民間企業による宇宙開発への参入が進み、日本でも、政府が宇宙ビジネスの拡大を推進していますが、この会社では、地域の自治体や企業などと連携して、「花火大会」のような、「流れ星」を中心としたイベントを開くことで、新たなビジネスとして成り立たせていきたいとしています。
この会社の社長の岡島礼奈さんは「初めての試みを、海外でも知られている広島で行うことで、世界に向けてアピールしたい。これまでの宇宙開発は、政府など大きな組織によるものだったが、今回の挑戦を通じて、宇宙と個人とを結びつけたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB