香港では、抗議活動に参加する人がマスクなどで顔を隠すことを政府が禁止したことに反発して、夜遅くにかけて各地で大勢の市民が抗議活動を行いました。香港の複数のメディアは、中国本土に近い住宅街で警察官が実弾を発砲し、14歳の少年が脚にけがをして病院に運ばれたと伝えました。
香港の林鄭月娥行政長官は「公共の安全を脅かす暴力行為を止めるためだ」として4日、議会の承認を経ずにみずからの判断でさまざまな規則を設けることができる「緊急状況規則条例」を発動して抗議活動に参加する際にマスクなどで顔を隠すことを禁止すると発表し、条例はさきほど、日本時間の午前1時に発効しました。
これに反発して、大勢の市民が夜遅くまで各地で抗議活動を行いました。
香港の複数のメディアは、このうち中国本土に近い、元朗地区で、日本時間の4日夜、抗議活動に参加していたと見られる14歳の少年が拳銃で撃たれて太ももにけがをし病院に運ばれたと伝えました。
少年は意識はあり、命に別状はないということです。
当時の詳しい状況はわかっていませんが、非番の警察官が実弾を発砲したということで、その後、大勢の市民がこの警察官を殴ったり、火炎びんを投げつけたりしたと伝えています。
また、大勢の若者たちが各地の地下鉄の駅でガラスを割ったり、出入り口付近に火をつけるなどし、地下鉄は日本時間の4日午後11時半ごろから全線で運行が取りやめとなりました。
また、中国系の銀行や中国寄りと見なされた企業の店舗などでも壁や店内が壊されたりしており、混乱が広がっています。
香港では、今月1日にも警察が実弾を発砲して高校生が一時、重体となる大けがをしています。
-- NHK NEWS WEB