消費税率の引き上げについてNHKの「日曜討論」で、与党側は対策を着実に実施し影響を抑えていくとして理解を求めたのに対し、野党側は経済に影響が出かねないとして国会で政府の対応をただしていく考えを示しました。
自民党の稲田幹事長代行は「全世代型の社会保障制度改革で、今回、幼児教育と保育の無償化も入れたわけだが、そのためには消費税率を10%にすることは避けて通れない。住宅や自動車の税制を含め反動減対策を総動員して効果が出ていることは間違いないと思う。中国経済など世界経済の動静も見て、下振れのリスクが顕在化した時には果断に対策を打っていきたい」と述べました。
公明党の斉藤幹事長は「社会保障を充実して安心して国民が生活していくために、どうしても必要な消費税の増税であると理解を求めたい。軽減税率はせめて食べるものだけでも低い税率でという庶民の切実な思いを実現したもので、ご理解いただきたい」と述べました。
立憲民主党の福山幹事長は「軽減税率の導入によって地域では混乱も出てきている。国際経済は不透明で、日本の経済にどのように悪影響を及ぼすか、しっかり注視しなければならない。消費も減退し実質賃金も下がる中、増税のタイミングは最悪で、政府の責任は非常に重い」と述べました。
国民民主党の平野幹事長は「実質賃金がマイナスになっている時期に消費税率を10%に引き上げたのはいかがなものか。軽減税率やポイント還元は不公平感を取り除くものにはなっておらず、税の逆進性の対策としては給付型の所得税減税で対応すべきだ」と述べました。
日本維新の会の馬場幹事長は「軽減税率は複雑で分かりにくく、国民の痛税感を和らげることになっていない。簡素、公平、中立という税制の原点から低所得者への『給付付き税額控除』の導入を国会で議論すべきだ」と述べました。
共産党の小池書記局長は「最悪の不公平税制である消費税は廃止をすべきで、当面は5%への減税をして景気の浮揚を図るべきだ。大企業や富裕層への減税をやめて応分の負担を求めれば財源は作れる」と述べました。
また憲法改正をめぐって、自民党の稲田幹事長代行は「国民も憲法の議論をしっかり進めていくべきだという認識だと思う。国民投票法改正案はすでに趣旨説明がされていて、合意ができていると思っている。憲法はわが国の基本法で、骨太の議論を憲法審査会で行っていきたい。与党がやりたいことだけでなく、幅広く野党が求めるテーマについてもしっかり議論するのがふさわしいと思う」と述べました。
立憲民主党の福山幹事長は「インターネットの広告など新しい状況が出てきているので、CM規制の在り方を真摯(しんし)に議論すべきだ。愛知県の国際芸術祭への補助金の不交付は憲法に密接した課題で、与党のやりたいことではなく、今ある問題を憲法審査会で議論すべきだ」と述べました。
-- NHK NEWS WEB