日本企業の間で「アルムナイ」と呼ばれる退職した社員の経験をいかそうという動きが活発になっています。大手商社では「アルムナイ」とのつながりを強化する組織を立ち上げ、新たなビジネスにつなげる取り組みを始めました。
「アルムナイ」はもともとは英語で「大学の卒業生」を意味していますが、最近は「起業や転職などで会社を退職した人」を表すことばとして注目されています。
大手商社の「住友商事」は、およそ300人の「アルムナイ」が参加するネットワークを作り、先月初めての総会を開きました。
会社ではデジタル技術の発達で業種の垣根を越えたビジネスが次々と生まれる中、元社員の経験やネットワークをいかして新たな事業の開発などにつなげたいとしています。
参加資格は1年以上勤務した元社員で、定年退職した人は除きます。
19年前に退職して今はベンチャー企業を経営する参加者は「愛着を持っている古巣のネットワークは、人脈がいきる社会ではとても心強い」と話していました。
「アルムナイ」を新たなビジネスにつなげようという取り組みは三菱商事や三井物産も始めていて、人材の獲得競争が激しさを増す中、ほかの企業にも広がりを見せそうです。
-- NHK NEWS WEB