アメリカ政府は中国・新疆ウイグル自治区で人権侵害が行われているとしてこれに関わったとみられる中国政府の当局者などに対する入国ビザの発給を制限すると発表しました。今週、行われる閣僚級の貿易交渉を前に圧力を一層強めた形ですが中国のさらなる反発は避けられず交渉に影響する可能性もあります。
アメリカ国務省のポンペイオ長官は8日、中国・新疆ウイグル自治区でウイグル族など少数民族の不当な拘束や虐待などの人権侵害が行われていると改めて指摘しました。
そのうえでこうした行為に関わったとみられる中国政府の当局者や中国共産党の関係者などに対するアメリカへの入国ビザの発給を制限すると発表しました。
そして、中国政府に対して、新疆ウイグル自治区での抑圧を速やかに中止するとともに恣意的(しいてき)に拘束したすべての人を解放するよう求めています。
アメリカ政府は前日の7日には、アメリカの企業が新疆ウイグル自治区の公安当局や中国の監視カメラメーカーと取り引きすることを禁じる措置を発表し、中国政府は強く反発しています。
アメリカ政府としては今月10日から米中の閣僚級の貿易交渉がワシントンで開かれるのを前に中国への圧力を一層強めた形ですが、中国のさらなる反発は避けられず交渉に影響する可能性もあります。
-- NHK NEWS WEB