本の表紙や絵本の挿絵など、さまざまなジャンルを手がけたイラストレーターの和田誠さんが今月7日、東京都内の病院で、肺炎のため亡くなりました。83歳でした。
和田さんは、昭和11年に大阪府で生まれ、多摩美術大学を卒業したあと、広告制作会社を経て昭和43年にフリーのイラストレーターになりました。
たばこのパッケージのデザインをはじめ、書籍や雑誌の表紙、それに、絵本の挿絵など、さまざまな分野のイラストやデザインを手がけ、日本のグラフィックデザイン界をリードしてきました。
また、エッセーや絵本など、数多くの書籍を出版したほか、映画監督としても活動し、平成6年には、さまざまな文化的な分野で業績を上げた人に贈られる菊池寛賞を受賞しています。
事務所によりますと、和田さんは去年から体調を崩し、自宅で療養していましたが、ことし7月に都内の病院に入院し、今月7日、肺炎のため亡くなったということです。83歳でした。
和田さんの妻で、料理愛好家の平野レミさんは、「最後は家族みんなに見守られながら、安らかにお別れをしました。肺炎を患ってからはごはんを食べられなかったので、和田さんが好きなごはんをたくさん作って、安らかな顔の横に置いてあげました。47年間、私の料理をおいしいおいしいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね」などとコメントしています。
葬儀はすでに近親者だけで行われ、後日、お別れの会を開く予定だということです。
-- NHK NEWS WEB