ことしのノーベル化学賞に吉野彰さんが選ばれたことを受けて、リチウムイオン電池を世界で初めて商品化した大手電機メーカー「ソニー」の元技術者、西美緒さんが16日、東京都内で記者会見し「リチウムイオン電池が認めてもらえたことは非常にうれしい」と語りました。
ことしのノーベル化学賞に選ばれた吉野彰さんが開発に当たったリチウムイオン電池は、世界初の商品化に、大手電機メーカー「ソニー」の元・技術者、西美緒さんらが携わりました。
16日、記者会見した西さんは、ソニーが『リチウムイオン電池』ということばを最初に使い始めたことなどを紹介したうえで「電池の技術は昔からあったにもかかわらず、他のものではなく、リチウムイオン電池がノーベル賞の対象として認めてもらえたことは非常にうれしい」と語りました。
また、ライバル企業との厳しい開発競争を振り返り、世界に先駆けて商品化できた要因として、ソニーが培ってきた音響機器やビデオテープの技術と、世の中にない商品を、時間をかけてでも生み出すという企業風土を挙げました。
そのうえで「企業は、3年や5年は見返りがなくても他の国ができないものをどんどん開発して商品にすることを考えなければいけない。技術者には、誰かが必ず認めてくれる、という思いで頑張ってほしい」と若い世代にエールを送りました。
-- NHK NEWS WEB