アメリカ政府は、EU=ヨーロッパ連合から輸入されるワインやチーズなどに最大25%の関税を上乗せする措置を、日本時間の午後1時すぎに発動しました。これに対して、EUも対抗措置に踏み切る構えで、双方の対立が激しくなる見通しになっています。
アメリカとEUは、互いの航空機メーカーへの補助金をめぐって対立が続いていて、WTO=世界貿易機関は14日、両国とも不当だとしたうえで、まず、アメリカによるEUへの対抗措置を正式に承認しました。
これを受けてアメリカは、日本時間の18日午後1時すぎ、EUから輸入される年間で最大75億ドル、日本円で8000億円分に、高い関税を上乗せする措置を発動しました。
対象は160品目で、フランス産のワインやイギリス産のウイスキー、各国のチーズなど農産品に25%、航空機に10%の関税を上乗せするとしています。
これに対してEUも、アメリカからの輸入品に関税を上乗せする措置の発動に踏み切る構えですが、トランプ大統領は16日、「EUが報復することはありえない」と述べて、EU側をけん制しています。
さらに、トランプ大統領は、貿易赤字を削減するため、ドイツなどから輸入される自動車についても「アメリカを長年苦しめてきた」と述べ、高い関税を課すことを検討しています。
双方の対立は激しくなる見通しになっていて、世界経済の減速リスクがさらに高まるおそれが出ています。
-- NHK NEWS WEB