バレンタインデーといえば、女性が男性へ恋心を打ち明ける聖なる日 と考えられてきましたが、それだけと考えては時代遅れかもしれません。最近はデパートの特設売り場で男性がチョコレートを買い求める姿が見られるなど、バレンタインデーの楽しみ方が変わってきています。
東京都内のデパートに設けられたチョコレートの売り場には、この時期限定の商品がずらりと並んでいます。最近、売り場に目立つのはチョコレートを吟味している男性の姿です。1人で訪れていた男性は「妻のために買いに来ました。恥ずかしくて、どきどきします」と話し、別の男性は「女友達に贈ります。ホワイトデーよりもバレンタインデーのほうが、かわいいのも多いからです」と話していました。
このデパートでは、男性客の購買額が一昨年、去年と、10%ずつ増えたといいます。中でも、増えているのが自分用のチョコを買う“スイーツ男子”で、自分で食べるためにチョコを買ったという男性は「この時期しかないものが買えるので楽しみです。年々、周りでもこの時期にチョコを買う男性が増えていると思います」と話していました。
デパートでは男性が自分のために買うチョコレートを“俺チョコ”と名付け、がいこつやゴジラなどをモチーフにしたチョコや、ミニカーとのセットなど、遊び心をくすぐる商品をそろえています。デパートの販売促進の担当者は「男性も、女性に負けずに、バレンタインデーを楽しんでもらえたらと思います」と話していました。
またビルの展望台ではバレンタインデーの期間、プロテイン入りのチョコレート「マッチョコ」を販売するイベントが開かれています。販売しているのは筋骨隆々の男性たち。チョコを買うだけでなく一緒に筋力トレーニングを楽しむコーナーもあります。親子で訪れていた女性は「バレンタインデーを男の人も女の人も楽しめるクリスマスのような一大イベントとして楽しんでます」と話していました。
一方、義理でチョコレートを贈ったりお返しをしたりすることをやめて、チョコレートの代わりに寄付を募ってアフリカの子どもたちの支援に寄付する取り組みを始めている企業もあります。この会社は全国の合わせて190の支店で合わせて100万円ほどの寄付が集まるということです。寄付に参加した女性社員は、「少し寂しい気持ちもありますが、男女分け隔てなく募金できて貢献できてるのでいいと思います」と話していました。男性社員は「チョコレートを義理でもらって、返すのは大変でした。あげたつもり、もらったつもりで社会貢献できるのでうれしく思っています」と話していました。
男性がチョコを買ったり、イベントを楽しんだり、そして支援活動にあてたり。バレンタインデーは様変わりしているようです。
-- NHK NEWS WEB