老後におよそ2000万円が必要になるなどとした報告書が批判された金融庁は、ワーキンググループによる資産形成の議論を23日から再開しました。老後にどれだけの資金が必要かについて新たな試算は行わず、資産形成を促すために金融機関がどのように取り組むべきか意見を交わす見通しです。
金融庁の金融審議会では、ことし6月、ワーキンググループが報告書を取りまとめ、老後に備えるためには資金面でおよそ2000万円が必要になるなどという試算に批判が寄せられました。
金融庁は報告書を正式な文書として大臣に答申せず、新たな報告書をまとめることを決め、ワーキンググループが議論を再開しました。
前回は老後に備えて個人がどう資産を形成するかを主な論点に意見を交わしましたが今回は、銀行や証券会社などがどう資産形成を促していくかを中心に議論します。
このため老後にどれだけの資金が必要になるか新たな試算は行わない見通しだということです。
23日の会合では、顧客が安心して資産形成をできるよう銀行や証券会社の現場が適切に営業しているかを把握する仕組みが必要だといった意見が出されました。
金融庁は来年春以降に新たな報告書を取りまとめたいとしています。
-- NHK NEWS WEB