2度の墜落事故の影響から業績の悪化が続いているアメリカの航空大手ボーイングの先月までの決算が発表され、前の年の同じ時期に比べて、売り上げが20%減ったほか、最終利益は半減しました。
アメリカの航空大手ボーイングが23日発表した先月までの3か月間の決算は、売り上げが前の年の同じ時期に比べて21%少ない199億ドル、日本円で2兆1500億円にとどまり、期間中の最終的な利益は、11億6700万ドル、日本円で1260億円と、51%減少しました。
ボーイングはちょうど1年前、売り上げ見通しを上方修正するなど「絶好調」という業績でしたが、発表からわずか5日後の去年10月29日、インドネシアで最新の旅客機737MAX8の墜落事故が起きました。
さらに、年明けのことし3月には、エチオピアでも同じ型の機体が墜落しました。
一連の事故の調査では、機体の傾きを制御するシステムの不具合が確認され、これが事故原因ではないかという指摘が出る中、ボーイングでは運航再開に向けてシステムの改修などを進めてきました。
しかし、運航再開のめどが立たず、生産調整を余儀なくされているほか、先週になって、ボーイングがこのシステムの不備を2016年には認識していたにもかかわらず、航空当局に報告していなかったという疑惑が一斉に報道され、株価が2日間で10%以上も急落するなど影響が続いています。
-- NHK NEWS WEB