日本の金融機関の間でアメリカ企業などのローンを集めて作ったCLOと呼ばれる金融商品への投資が増えています。日銀は現時点では格付けの高い商品への投資がほとんどだとする一方でアメリカの景気が悪化した場合最大で3割ほど価格が下落するリスクがあり、注意が必要だという報告書をまとめました。
日銀は24日に公表した報告書で主にアメリカで企業向けのローンを集めて作ったCLOと呼ばれる金融商品に関する調査結果をまとめました。
CLOは信用力が低い企業のローンが中心で、リスクがある分、利回りは高いため低金利が長期化する中、有利な運用先を求める日本の金融機関などの投資が増えています。
昨年度の日本の金融機関のCLOへの投資残高は、12兆7000億円あまりにのぼり、世界全体の投資のおよそ15%を日本で占めているということです。
投資している商品のほぼすべてが最も格付けの高い「AAA」で、日銀は担保によって元本は保全されると分析しています。
ただ、リーマンショックと同じような経済危機に見舞われた場合、商品によっては2割から3割程度、価格が下落するおそれがあると指摘しました。
CLOは、11年前のリーマンショックの引き金となった住宅ローンを集めて作った金融商品と仕組みが似ていて日本の金融機関が大量に保有していることを懸念する声もでています。
日銀は「いまは商品の頑健性は高いものの、経済が急変したときの価格の下落リスクには注意する必要がある」としています。
-- NHK NEWS WEB