台風19号の影響で阿武隈川が氾濫した福島県郡山市では、およそ150社が入る工業団地が全域で浸水し、企業からは影響の長期化を懸念する声が強まっています。
郡山中央工業団地はおよそ150社が入る市内有数の工業団地で、そばを流れる阿武隈川などが台風19号によって氾濫し、全域が水につかりました。
決壊した堤防の隣で産業廃棄物の処理などを行う会社「白川商店」では、事務所が入る建物と3棟ある工場、すべてが水につかりました。
工場は最大で2mの高さまで水が入り、粉砕機やプレス機など作業用の機械のほとんどが壊れたということです。
さらに、廃棄物を運搬するトレーラーやクレーン付きのトラックなど17台ある車両もすべてが故障し、車両の被害額だけで1億円以上に上る見込みだということです。
会社は機械の修理を急ぐとともに、中古車を数台購入して来月中旬から部分的に操業を再開する方針ですが、完全に復旧する見通しは立っていません。
この会社の橋本裕社長は、影響が長期化すれば廃業や撤退する企業が増えかねないと危機感を募らせ、「今後やっていけるのか不安だ。行政などと連携して企業が安心して営業できる環境を作るのが大事だ。腹をくくってやっていくしかない」と話していました。
-- NHK NEWS WEB