大手金属メーカーの「日立金属」は、来年3月期の最終的な損益が黒字の予想から一転して470億円の赤字になる見込みだと明らかにしました。中国経済の減速などで電気自動車や産業用のロボットのモーターに使われる材料の需要が減少するなどしたためです。
日立金属は29日の中間決算の発表で、来年3月期の業績の見通しを下方修正しました。
それによりますと売り上げは、これまでの予想より10.5%減って8950億円、最終的な損益は黒字の予想から一転して470億円の赤字になるとしています。
これは中国経済の減速などで電気自動車や産業用ロボット用などのモーター向けの材料の需要が大きく落ち込み、この事業の収益性を見直した結果、425億円余りを損失として処理したためです。
最終的な利益が赤字になるのは、リーマンショックで業績が悪化した2009年3月期決算以来11年ぶりです。
会社では、管理職を中心とした早期退職の募集や、一部の製造拠点の閉鎖、それに従業員の一時帰休などを行うとともに、役員報酬の一部を返上するということです。
佐藤光司社長は「事業の想定が甘かったのは否めない。シェアを確実にとれる事業分野を中心に、選択と集中を行い立て直したい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB