「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所が、日本企業に賠償を命じる判決を出して1年となります。日本政府は、日韓関係の法的基盤を根本から崩すものだとして、国際法違反の状態の是正を求めていて、解決策を韓国側が示してくるか、引き続き対応を注視することにしています。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所は1年前の30日、日本企業に賠償を命じる判決を言い渡しました。
日本政府は、「徴用」をめぐる問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだとしていて、韓国との関係は悪化の一途をたどっています。
安倍総理大臣は先週、イ・ナギョン(李洛淵)首相と会談し、判決は日韓関係の法的基盤を根本から崩すものだとして、国際法違反の状態を是正するよう改めて強く求めましたが、平行線に終わりました。
政府は、外交当局間の意思疎通は続けていく方針ですが、日本企業の資産を早ければ年内にも現金化する手続きが韓国内で進んでいて、茂木外務大臣は「あらゆる選択肢を視野にきぜんと対応したい」と述べ、仮に現金化されれば、対抗策を講じる考えを示しています。
政府内には、「来年4月に総選挙を控える中、支持率が低迷するムン・ジェイン(文在寅)政権は、振り上げた拳を簡単に下ろすことはできない」という見方の一方で、「韓国側に日本との対話を模索する雰囲気が出てきている」という指摘も出ていて、解決策を韓国側が示してくるか、引き続き対応を注視することにしています。
-- NHK NEWS WEB