おととし羽田発ニューヨーク行きの日本航空機が、離陸直後に左のエンジンから火が出て緊急着陸したトラブルで、運輸安全委員会はエンジンの内部にある部品の一部が、金属疲労から破断したことが原因だとする報告書をまとめました。
おととし、羽田発ニューヨーク行きの日本航空6便、ボーイング777型機で離陸直後に左のエンジンから火が出て、およそ1時間後に羽田空港に緊急着陸しました。
運輸安全委員会が公表した調査報告書によりますと、エンジンの内部にある金属製の羽根1枚が、金属疲労から破断したことが原因だと指摘しています。
そのうえで破断した羽根は、部品どうしが密着して互いの動きが制限されるという「アーチバインディング」と呼ばれる状態により金属疲労しやすくなっていたということです。
一方、エンジンを製造したアメリカのメーカーではトラブルが起きる4年前に行った社内試験の際に、同様の不具合が起きていて、メーカーは設計を変更した部品を製造していました。
ただ、航空会社に対して部品交換を緊急に行うことは求めていなかったということです。
日本航空ではトラブルのあとほかの2台のエンジンで、同じ部分の部品に亀裂が見つかっていて、運輸安全委員会は再発防止策としてエンジン内部の部品の交換や改修、それに繰り返し点検を行うことが望ましいとしています。
-- NHK NEWS WEB