史上最大規模のIPO=新規株式公開を目指すサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」は、まず国内の株式市場に株式を上場する手続きを始めたと発表しました。
脱石油の経済改革を加速させるため、巨額の資金を調達するねらいがありますが、検討されてきた東京証券取引所など海外での上場は未定だとしています。
「サウジアラムコ」は3日、本社のある東部のダハランで会見を開き、国内の株式市場に上場する手続きを開始したと発表しました。
株式の公募価格や上場する株式の割合などは明らかにされませんでしたが、来月にも一連の手続きを完了し、上場するとみられています。
株式の上場は脱石油の経済改革を進めるムハンマド皇太子が主導し、国の内外の株式市場で過去最大規模の資金調達を目指す「史上最大のIPO」として注目を集めてきました。
改革を進めるうえで必要な巨額の資金を調達するねらいがありますが、まずは国内での上場を先行し、検討されてきた東京証券取引所など海外での上場は未定だとしています。
サウジアラビアでは、ことし9月に石油施設が攻撃を受け、湾岸地域の不安定さとリスクが認識されました。
市場関係者の間では、リスク認識の広がりや世界経済の減速による原油価格の低迷から、今海外の市場に上場すれば、企業価値がより厳しく評価されるのではないかとサウジアラビア政府が懸念し、まずは国内で上場することを決めたのではないかという見方が出ています。
-- NHK NEWS WEB