ウクライナ疑惑をめぐり、アメリカのトランプ大統領の側近の大使が、ウクライナに対して大統領の政敵であるバイデン前副大統領の息子にまつわる汚職捜査について声明を出すよう要求していたことを一転して認めたことが明らかになり、野党・民主党は、大統領の弾劾に向けて追及を強める構えです。
議会下院でトランプ大統領の弾劾に向けた調査を進める民主党は5日、EU=ヨーロッパ連合を担当するアメリカのソンドランド大使の非公開の証言記録を公開しました。
それによると、ソンドランド大使は、先月行われた聞き取りの中で、「トランプ大統領がウクライナへの軍事支援の見返りに、バイデン氏の息子が役員を務める企業の汚職捜査を要求したという事実は知らない」と証言していました。
ところが今月4日になって追加で提出された供述書では、「他の政府高官の供述を聞くにつれ、ウクライナ側と9月に交わした会話の内容を思い出した」として証言を一転させ、ウクライナのゼレンスキー大統領の側近に対し、バイデン氏の息子にまつわる汚職捜査について声明を発表しないかぎり、軍事支援は難しいと伝えていたことを認めました。
ソンドランド氏は、トランプ大統領の有力な支援者ですが、政府高官が議会で次々とトランプ大統領に不利な証言をする中、偽証罪に問われる可能性をおそれ、証言を覆したものとみられ、野党・民主党は、大統領の弾劾に向けて追及を強める構えです。
-- NHK NEWS WEB