安倍総理大臣は11日、政府の会合で、ことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた吉野彰さんが若手研究者への継続的な支援を求めたことを受け、関係閣僚に対し、若手やトップクラスの研究者の待遇改善などに取り組むよう指示しました。
安倍総理大臣はことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた、大手化学メーカー「旭化成」名誉フェローの吉野彰さんと総理大臣官邸で面会し、吉野さんが開発に成功したリチウムイオン電池をモチーフとした置物を記念品として贈られました。
このあと、政府の「総合科学技術・イノベーション会議」で、吉野さんが講演し、33歳の時に今回の受賞につながる研究を始めたことを紹介したうえで科学技術の発展に向けて若手研究者に対する政府の継続的な支援を求めました。
これに対し、安倍総理大臣は「若手からトップ研究者に至るまで意欲ある研究者に魅力ある環境を提供していくことが極めて重要だ」と述べ、若手やトップクラスの研究者の待遇や研究環境の改善に取り組むよう関係閣僚に指示しました。
会合のあと吉野さんは記者団に対し、「大学の基礎研究があってその延長線上にリチウムイオン電池がある。若手研究者には研究費などを最低10年間は保証してもらいたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB