大手ビールメーカーの「キリンホールディングス」は、業績の低迷が続いていたブラジルの子会社を、オランダのビール大手「ハイネケン」のグループ会社におよそ770億円で売却すると発表しました。
発表によりますと、キリンホールディングスは、ブラジルでビールなどの製造・販売を手がける子会社「ブラジルキリン」のすべての株式を、オランダのハイネケンのグループ会社に売却することになりました。
売却額はおよそ770億円に上るということです。
キリンは、ブラジルの経済成長を見込んで、平成23年に現地の大手飲料メーカーをおよそ3000億円かけて買収しましたが、その後、ブラジル経済が低迷する中で、価格競争の激化や、通貨レアルの値下がりによる原材料の仕入れコストの上昇などで、事業環境が悪化しました。
このため売却を迫られたもので、現地の工場で行っている自社ブランドのビールの製造・販売は、今後はハイネケンのグループ会社に委託する形で続けるということです。
磯崎功典社長は会見で「ブラジルは将来性を見込んで投資したが、経営管理が不十分だったことが今回の反省だ。今後は地理的にも近い東南アジアを重視したい」と述べました。
一方、キリンは清涼飲料を手がける子会社のキリンビバレッジと、コカ・コーラのグループとの提携協議について、出資を伴う資本提携まで踏み込まず、商品の共同配送など業務面での提携に絞って協議を続けることを明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB