台風19号で死亡した人のうち、およそ15%は「仕事中」や「通勤・帰宅中」など仕事に関連して屋外を移動中に被災したとみられることが分かりました。専門家は「屋内にとどまっていれば助かった可能性もあり、災害の危険が高まった時には、無理な出勤や帰宅をさせないなどの対応を企業は考えていく必要がある」と指摘しています。
NHKは台風19号でこれまでに死亡が確認された92人について災害時の避難行動に詳しい静岡大学の牛山素行教授とともに被害にあった状況を調べました。
その結果、「仕事中」や「通勤・帰宅中」など仕事に関連して屋外を移動している間に被害にあったとみられる人がおよそ15%に当たる13人いたことが分かりました。
この中には、福島県飯舘村で新聞配達のために勤務先に向かっていた75歳の男性や、宮城県大和町でも食品工場での勤務を終えて帰宅中だった58歳の女性などが含まれています。
また、このほか「避難」や「避難の呼びかけ」などで屋外を移動中に被災したとみられる人も20人に上りました。
分析した牛山教授は「屋内にとどまっていれば助かった可能性もあり、災害の危険性が高まった時には、無理な出勤や帰宅をさせないなどの対応を企業は考えておく必要がある」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB