貿易摩擦が解消に向かうのではないかとみられているアメリカと中国の交渉をめぐって、トランプ大統領は演説で「まもなく合意する可能性がある」と述べる一方、知的財産権の取り扱いなどで妥協しない姿勢も強調し、米中両政府の駆け引きが続いていることをうかがわせています。
米中両政府は第1段階の貿易協定の署名に向けて詰めの協議を続けていますが、関税の撤廃などをめぐり、発言が食い違う場面も目立ってきています。
こうした中、トランプ大統領は12日、ニューヨークで行った演説で米中の貿易協定について、「まもなく合意する可能性がある」と述べ、両首脳による早期の署名に意欲を示しました。
その一方で、「アメリカの労働者や企業にとってよい取り引きになることが合意の条件だ」と述べ、中国へのアメリカ産の農産品の輸出の拡大に加えて、焦点となっている知的財産権の侵害の見直しでも妥協しない姿勢を強調しました。
株式市場などでは、先月の閣僚級の貿易協議で部分的な合意が発表されて以降、両国の摩擦が解消に向かうという期待が広がっていますが、トランプ大統領の発言は正式な署名の段階に来て両政府の駆け引きが続いていることをうかがわせています。
-- NHK NEWS WEB