働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす「在職老齢年金」制度で、年金が減らされる収入の基準額を今の47万円から引き上げる案について、公明党内からは「就労意欲の増進につながるか効果が見えづらい」などとして慎重な意見が出ていて、調整が行われる見通しです。
「在職老齢年金」制度は、働く高齢者の年金を減らす仕組みで、65歳以上の場合、給与と年金合わせて月額47万円を上回ると減らされます。
しかし、高齢者の就労意欲をそぐという指摘もあり、厚生労働省は、年金が減らされる基準額を51万円に引き上げる案を先の社会保障審議会に示しました。
これについて、公明党内からは「就労意欲の増進につながるか効果が見えづらい」といった指摘や、「所得の高い人の優遇になるほか、年金の支給総額が増え、将来の給付水準の悪化につながる」などとして慎重な意見が出ています。
また、石田政務調査会長も18日、「引き上げるか、そのままにするか、意見集約が難しい」と述べました。
このため、厚生労働省は、年内の具体策の取りまとめに向け与党側と調整を行う方針です。
-- NHK NEWS WEB