IT大手のヤフーとLINEの経営統合について、公正取引委員会は、独占禁止法上の問題がないか審査を行う方針です。特に、スマートフォン決済の分野で国内のシェアが高まることや、購買履歴などの膨大なデータの扱いについて、どのような判断をするかが焦点となります。
公正取引委員会の山田事務総長は、20日の記者会見で、ヤフーの持ち株会社のZホールディングスとLINEの経営統合について「一般論として、どのような事業が、どの程度競合しているのかを踏まえて判断していく」と述べ、両社からの届け出を受けたあと、独占禁止法上の問題がないか審査を行う方針を示しました。
特にスマホのQRコード決済の分野では、ヤフーなどが手がける「PayPay」と「LINEPay」を合わせると利用者は、延べ5600万人に上り、国内のシェアが一気に高くなると見られます。
このため審査では、両社の統合によって競争環境をゆがめないか、また、購買や決済履歴などの膨大なデータを囲い込み、他社のビジネスを妨げないかなどについて、調べるものと見られます。
公正取引員会は、GAFAに代表される巨大なIT企業が、膨大な顧客データを使って力を強めていることを受け、データを独占するための合併や買収には厳正に対処する方針で、ヤフーとLINEの経営統合をめぐる審査は、その試金石にもなりそうです。
-- NHK NEWS WEB