アメリカの原子力事業で巨額の損失が明らかになった大手電機メーカーの東芝は、14日、去年4月から12月までの9か月間の決算について、最終損益が2期連続の大幅な赤字になると発表することにしています。
東芝は去年12月、アメリカの原子力事業で巨額の損失を計上する見通しを明らかにし、具体的な損失額を確定させる作業を進めてきました。
その結果、関係者によりますと、損失額は7000億円程度にのぼり、去年4月から12月までの9か月間の決算で最終損益が2期連続の大幅な赤字になることを、14日に綱川智社長が記者会見して発表することにしています。
そのうえで、東芝は巨額の損失の原因となった原子力事業の立て直しに向けた対応策を明らかにします。具体的には、経営の管理体制を強化するため、原子力事業を電力インフラ関連の社内カンパニーから切り離して社長直轄とします。また、海外の原子力事業のうち、建設工事の運営管理を一括して受注する事業については当面見合わせることも盛り込みます。
一方、東芝は、財務基盤を強化するため主力の半導体事業を分社化し、新会社の株式の20%未満を売却する方針を示していて、売却先の選定を進めています。しかし主な取引銀行からは、これでは経営の抜本的な立て直しには不十分で、売却する株式の割合を増やすべきだという声が挙がっており、半導体事業をめぐる東芝の対応が今後の経営再建に向けた大きな焦点となります。
-- NHK NEWS WEB