トラック運送大手の西濃運輸の元社員の男性が、長時間勤務をさせられた上、身に覚えのない当て逃げ事故を認めるよう強要されうつ病になったとして会社などに賠償を求めた裁判は、会社や上司が謝罪し2600万円を支払うことで和解しました。
訴えを起こしていたのは西濃運輸の摂津支店でトラックの運転手をしていた大阪府内の52歳の男性で、訴状などによりますと、平成22年から23年にかけての月の平均残業時間はおよそ120時間と、過労死の目安とされる80時間を大幅に超えていたほか、多いときには190時間に達する月もあったということです。
さらに、身に覚えのない当て逃げ事故を認めるよう上司から強要されて、警察にうその届け出をさせられたことでうつ病になり、仕事を続けられなくなったとして会社と上司2人に賠償を求めていました。
その後、大阪地方裁判所で和解に向けた協議が進められ、会社が長時間労働をさせたことや事故の申告を強要したことを認めて謝罪したうえで、2600万円を支払うことで今月10日に和解が成立しました。
男性は今も療養中で、「会社には早く責任を認めてほしかった。この和解で会社の労働条件がよくなってほしい」と話しています。
一方、西濃運輸は「元社員の意向を尊重して和解することにした。同じ事例が起きないよう今後も一層、取り組みを強化する」というコメントを出しました。
-- NHK NEWS WEB