映像から人の基本的な動作を認識し、不審な行動などを判別できる新しいAI=人工知能の技術が開発されました。大量のデータを学習する必要がなく、防犯カメラなどにすぐに導入できるのが特徴です。
新たな技術は富士通が開発しました。「歩く」、「走る」、「物を持つ」といったおよそ100種類の動作を映像から高い精度で認識でき、動作の組み合わせによって不審な行動などを判別します。
例えばATM=現金自動預け払い機に設置した防犯カメラに搭載した場合、ATMを操作しながら電話をかけていると、振り込め詐欺の疑いがあると判別できるとしています。
また小売店のカメラでは万引きなどを認識できるだけでなく、買い物客がどの商品を手に取ったかを分析でき、マーケティングにも応用できるとしています。
分析しているのは動作のみで、個人の特定はできないということです。
今のAIでは設置場所ごとに不審な行動のデータなどを大量に学習させる必要があるため、導入に数か月かかっていますが、今回の技術は人の基本動作の学習を済ませているため、早ければ1日で導入できるということです。
会社は近く、企業などに販売を始め、海外展開も目指す方針です。
富士通研究所のシニアリサーチャーの鈴木源太さんは「カメラはいろいろな場所に設置されてきているが、活用されていない実態もあり、AIの導入で防犯対策などにつながれば」と話しています。
-- NHK NEWS WEB