アメリカで「電子たばこ」を吸った後に重い呼吸器系の病気になる人が相次いでいる問題で、アメリカ・ニューヨーク市の議会は、市内で香りつきの電子たばこの販売を禁止する条例を可決しました。
アメリカでは、電子たばこを使ったあとに重い呼吸器系の病気で入院する人が相次いでいて、患者数はこれまでにおよそ2300人にのぼり、このうち47人が死亡したと報告されていますが、原因はまだ特定されていません。
こうした事態を受けてニューヨーク市の議会は26日、市内で香りつきの電子たばこの販売を禁止する条例を可決しました。
電子たばこはニコチンや香りの成分を含む液体などを電気で蒸発させて吸うもので、アメリカでは若者を中心に人気が高まっています。
この条例はこれ以上健康被害が広がるのを防ぐとともに、未成年が果物やハッカなどの香りがついた製品をきっかけにして電子たばこを吸い始めるのを防ぐのが目的だということです。
電子たばこをめぐってはこれまでに一部の州などで香りつき電子たばこ製品を一時的に販売禁止にする命令が出されていますが、販売者の訴えを受けて裁判所で販売禁止が差し止められるケースも出ています。
また、カリフォルニア州などは大手電子たばこメーカーに対し、危険性について十分に説明をしなかったり、未成年に販売したりしたとして罰金の支払いや宣伝の停止を求める訴訟を起こすなど、全米に影響が広がっています。
-- NHK NEWS WEB